魚町電停は、西鉄の前身である九州電気軌道株式会社によって1911(明示44)年6月5日に東本町(門司) から大蔵川(八幡) に至る全長18.1kmの区間が開通したことにより開業されました。当時の魚町電停付近には、銀行や商店が林立して小倉の中心街として発展していました。
また、北方線が狭軌であったために、その乗り換え電停として大勢の人びとが往来していた。 1936(昭和11)年に開業した井筒屋百貨店も、かつては九州電気軌道株式会社の系列会社でありました。
「電車は、路面を走るもの」そんな風に思う人も少なくなったことでしょう。明治・大正・昭和・平成と激動の時代に市街を駆け抜けた西鉄北九州線が1992(平成4)年に廃止されて今年で四半世紀を迎えることになります。

現在の勝山通り

郷土史家・菊池満(きくちみつる)
1980(昭和55)年生まれ、北九州市小倉北区出身。福岡県地方史研究連絡協議会監事、朝日カルチャーセンター北九州教室講師、西日本工業大学非常勤講師などを歴任。
現在、西日本歴史文化研究所所長、北九州市立年長者研修大学校周望学舎・穴生講師、産業考古学会会員。専門は、日本近世・近現代史。
【主な発表論文】西日本文化協会創立50周年記念論文「森鴎外と和気清麻呂伝説」
【主な著書】「森鴎外 少年時代の業績」(共著)、「北九州市郷土史跡ガイドブック」(共著)など。