「電車は路面を走るもの」

西鉄北九州線の前身である九州電気軌道株式会社が設立されたのは、日露戦争が終結して3年後の明治41(1908)年のことでした。明治44(1911)年6月に現在の門司区東本町から八幡東区大蔵までの18kmの区間で路面電車の運行が開始されました。
運行開始当初の車輌は木製で、運転士25名、車掌は43名でした。運賃は1区間3銭。ざるそば1杯分に相当する金額でした。明治44(1911)年9月には九州電気軌道の路面電車開通を記念して花電車が走行。沿線には弁当と敷物を持参した見物客まで現れたという逸話も残っています。
戦時中の昭和17(1942)年、陸上交通事業調整法に基づいて九州電気軌道は福博電車など県内の交通事業者4社と合併して西日本鉄道となりました。
明治から大正・昭和・平成と激動の時代を駆け抜けた西鉄北九州線。砂津から黒崎駅前までの区間12.7kmが廃止されたのは今から25年前の平成4(1992)年10月25日のことでした。

※写真は九州電気軌道株式会社本社
現在は、チャチャタウン向かい側にある「西鉄バス北九州小倉自動車営業所」

九州電気軌道株式会社電車開通記念「花電車」

郷土史家・菊池満(きくちみつる)
1980(昭和55)年生まれ、北九州市小倉北区出身。福岡県地方史研究連絡協議会監事、朝日カルチャーセンター北九州教室講師、西日本工業大学非常勤講師などを歴任。
現在、西日本歴史文化研究所所長、北九州市立年長者研修大学校周望学舎・穴生講師、産業考古学会会員。専門は、日本近世・近現代史。
【主な発表論文】西日本文化協会創立50周年記念論文「森鴎外と和気清麻呂伝説」
【主な著書】「森鴎外 少年時代の業績」(共著)、「北九州市郷土史跡ガイドブック」(共著)など。

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