今月は、北九州をより良くしたいという思いで「一般社団法人ソシオファンド北九州」を立ち上げられた、菅恒弘さんにお話を伺ってきました!
ソシオファンド北九州を立ち上げたきっかけ
そもそものきっかけは、仕事でできることとできないことがあるなと感じていたことです。もともと私は市役所で働いているのですが、その業務の中で三年間「小倉北区の街づくり」に携わっていました。商店街の方と協力して商店街の今後を考えたり、小倉北区の賑わいづくりのイベントを行うといった仕事は、自分にとってとてもやりがいのあるものでした。しかし、人事異動で全く別の部署になり、街づくり活動に思うように関われなくなってしまい、仕事と地域活動の両立の難しさにモヤモヤする日々を送っていました。そんなある日、自分に大きな影響を与えるある本と出会ったのです。それは『社会起業家という仕事 チェンジメーカー2』という本でした。初めは社会起業家とは何かも良く分かっていなかったのですが、読んでみるとまちづくりや地域活動は行政でなくてもやれるのだということに気づくことができました。そこから北九州市立大学のビジネススクールを卒業後や、ソシオファンドの原型となるSVP東京への参加を経て、自分の考えに賛同してくれる仲間を見つけ、ソシオファンド北九州を立ち上げることになりました。
ソシオファンドの仕組みについて
ソシオファンド北九州は、本業を持つ社会人を中心とした約20名で、「びびんこ」と「LOCAL GOOD KITAQ」という二つの活動を行っています。「びびんこ」はSVP東京を参考にした活動なのですが、毎年支援を求めている社会起業家を募集し年間約2団体を選出します。そして、その選ばれた団体に対して一年間の経営サポートと会費を原資に年間最大50万円の資金提供をするという活動です。団体がやりたいけれどなかなかうまくいっていない活動などを、ソシオファンド北九州のメンバー自身が持つスキルや知識、ネットワークを使い一緒に取り組んでいくというサポートをも行っています。 もうひとつの活動である「LOCAL GOOD KITAQ」は誰もが課題解決に気軽に参加できる仕組みづくりを目指す活動です。基本的にサイトでの活動で、主に三つの活動を行っています。一つ目は〈課題を集め、見える化する〉ことです。〈集める〉は、サイトの地図上に地域の課題をマッピングできるシステムで、〈見える化〉は、北九州市の色々なデータをわかりやすく図などにしています。二つ目は、〈活動を知り、情報を入手すること〉です。そして三つ目は、〈参加する〉ことです。これはクラウドファンディングで、市民な方々に寄付またはスキルの提供という形でその活動を応援することによって参加するというものです。
今までで一番嬉しかった体験
最初2団体を2015年の1月から12月まで支援して、その協働の成果を発表する会を行ったときに卒業証書や通知表を作ってお渡ししたのですが、2団体それぞれの代表の方から卒業したくないと言っていただけました。メンバーとしてもはじめの一年だったので手探りでの協働でしたが、その言葉いただいて、そんな風に言っていただけるような協働ができてよかったなと思うことができ、そのときはとても嬉しかったです。 …これからのお仕事の展望 もう少し「LOCAL GOOD KITAQ」の仕組みを強化し、もっと多くの人が気軽に参加できるようにしていきたいと思っています。もう一つ、私はこの活動をとても楽しいと思ってやっているので、もっと多くの方にこの活動に関わってもらいたいです。ソシオファンド北九州のメンバーが、「ソシオファンドって大変ですよね、年会費も10万円払って、バボランティアで時間も使うし。なんでやってるんですか?」とある人に聞かれたそうなんです。その時そのメンバーは、「趣味なんですよ。スキーやスノボなんかでも10万円くらい使うでしょ、時間もそれなりにつかうでしょ、それと一緒なんです。」と答えたそうです。私もその言葉を聞いてとても共感をすることができました。もともとソシオファンド北九州は北九州をより良くしていこうという目的があるのですが、団体内部のミッションとしては、自分たち社会人の学びや成長の場だと思っています。なのでこれからはもっと楽しみながら学んで成長していけるようなものにしていきたいと思っています。
取材を終えて、初めは二つの仕事をされているというイメージでお話を聞いていたのですが、ソシオファンド北九州の活動は、仕事ではなくて趣味であるというお話を聞いてとても納得することができたし、お話されている菅さんが本当に楽しんでやっているのだということが伝わってきました。気軽に参加することができるので、みなさんもぜひ「LOCAL GOOD」を増やすお手伝いをしてみましょう!