茶話その1

八十八夜初摘み新茶

夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘じゃないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠

この茶摘み唄に出てくるその「八十八夜」とは、雑節のひとつ。(雑節とは季節の変化の目安。他にも節分・入梅・半夏生・彼岸など)

立春から数えて八十八日目にあたる日。だいたい五月二日頃です。春から夏に移る節目の日。「さて〜今から初夏が始まりますよ〜」という日。

八十八夜のこの頃から霜もなく安定した気候となり、茶摘み、霜除けのよしずを取り払ったり、苗代の籾巻きを始めたり、天然自然の暦に則って季節を迎えることが無病息災の祈りだった古人の知恵を受け継いでいる地域も数多くあります。

八十八夜に摘み取られるお茶が、八十八夜初摘新茶です。古来より不老長寿の縁起物のお茶として珍重されています。前年の秋からひと冬越えて蓄えられた成分があふれ、うまみのもとであるテアニンなどの成分を豊富に含んでいます。