We Love 小倉協議会と北九州市立大学地域創生学群の学生が共同で、まち中で活躍する「情熱人(じょうねつびと)」を紹介するコーナー。今回は小倉北区室町で4坪2階建てのカフェバー兼CDショップ「スピタル」を経営する原田健剛さん。小さな空間でも大きな情熱を胸に秘めた原田さん、その熱いハートの一端を伺ってきました。
小倉北区室町でカフェバー、雑貨やCDのセレクトショップ「SPITAL(スピタル)」(北九州市小倉北区室町2丁目)を経営する原田兼剛さん(36)に今回お話しを伺った。約4坪というこじんまりした店内には原田さんがセレクトした音楽が流れ、お客さんと店主が気軽に会話をすることのできる空間になっている。そして流れるBGMはお店で購入することもでき、原田さんお勧めのCDが並べられ販売されている。原田さんはほかに、DJの活動や展示会の企画、音楽イベントを主催するなどといった音楽とヒトをつなぐ活動もしている。
原田さんは学生時代にハウスミュージックに魅了され、20代のとき単身でロンドンに渡った。ロンドンではDJやレコードのバイヤーなどで生計を立てつつ、音楽にどっぷりはまる生活を送っていたそうだ。ルームシェアでシェアメイトとお金を掛けない工夫をしつつ、「お金がない状況を楽しみながら音楽に毎日ふれあい刺激的な日々を送った」という。ロンドンでの思い出は、好きなアーティストの野外フェスに参加したり、週末に開かれるマーケットをぶらぶらしたりしたこと。まちの中には原田さんの大好きな音楽があふれかえっていた。
小倉とロンドンの違いは?ときくと「向こうのクラブだとおじいちゃんでも音楽を楽しんでクラブに毎日通っていたりするし、音楽とカフェ、ワークショップなどがコラボしたイベントがたくさんある。日本には少ない。小倉でもロンドンと同じように幅広い世代の人が気軽に音楽に触れあえる場をつくりたい」と抱負を話す。「小倉はまだまだ魅力的なまちではないと思う。でもだからこそ、開拓の余地があって何かをやりたい、小倉のまちをよくしたいと思う人にはやりがいのあるいい場所だと思う。新しい物をどんどんつくるのではなくて古いものを大切にする小倉でもあってほしい」とも。
多彩な活動のエネルギー源は「自分がいいと思ったもの、少しでも興味のあるものには迷わず飛び込むようにしている」という原田さんの熱烈な好奇心だ。「20代のうちに、特に学生のうちに知らない世界へ飛び込む度胸が必要だ」と、取材に行った私たちにエールを送っていただいた。
取材・文:北九州市立大学地域創生学群2年 田中朝菜