1933(昭和8)年に開設された小倉陸軍造兵廠は、西日本最大級の兵器工場でした。現在の北九州市立中央図書館のところに本部事務所があり、大手町一帯を中心に敷地面積約17万6,000坪(ヤフオクドーム4個分)という大規模なものでした。航空機部品・戦車・小銃・砲弾などのほか1943(昭和18)年12月頃からは風船爆弾も製造していました。
また1944(昭和19)年6月16日には、米軍爆撃機B-29の空襲により第二製造所第三旋盤工場付近(現在の小倉税務署周辺)が攻撃され従業員・動員学徒・女子挺身隊員約80名が犠牲になりました。
※写真は、小倉陸軍造兵廠正門を行進する技能者養成所生徒隊
郷土史家・菊池満(きくちみつる)
1980(昭和55)年生まれ、北九州市小倉北区出身。福岡県地方史研究連絡協議会監事、朝日カルチャーセンター北九州教室講師、西日本工業大学非常勤講師などを歴任。
現在、西日本歴史文化研究所所長、北九州市立年長者研修大学校周望学舎・穴生講師、産業考古学会会員。専門は、日本近世・近現代史。
【主な発表論文】西日本文化協会創立50周年記念論文「森鴎外と和気清麻呂伝説」
【主な著書】「森鴎外 少年時代の業績」(共著)、「北九州市郷土史跡ガイドブック」(共著)など。